改憲vs護憲を超えて

憲法改正の流れが現実的になった時に、建設的な議論ができますように

2015-01-01から1年間の記事一覧

国粋主義のすすめ〜新元素に湧く「日本」へ〜

headlines.yahoo.co.jp 新元素発見のニュースに湧いている日本。 その命名が「ジャポニウム」となるのが濃厚、とはいかなることか。 私たちは「ジャパン」に住んでいるのか。 断じて否。 「ニッポニウム」「ニホニウム」ではダメなのか。 日本でオリンピック…

安全保障の展望〜「中国」というリスク〜

「自衛隊は災害救助隊に改組すべし - 読む・考える・書く」というブログ記事で「日本側からバカなことを仕掛けない限り中国が攻めてくることなどないし、万一バカなことをやらかして中国と全面戦争に突入したら自衛隊では対抗できず敗戦必至」ということが書…

「十七条憲法」の精神はその後どうなったのか?

※以前の記事「リベラル・護憲・左派が抑えるべき歴史上の天王山 - 改憲vs護憲を超えて」に関連して 「日本 和 精神」などのキーワードでGoogle検索すればわかるが、日本には古来からこの「和の精神」があって、それが素晴らしいとか、それがどうだとか、いろ…

戦後歴史教育の問題点 (3)時代区分のおかしさ・その1

「旧石器時代」「縄文時代」から始まる日本史の時代区分のおかしさについては、すでに多くの人が指摘しているところであろう。 ①旧石器・縄文・弥生・古墳・・・日本列島上の広い領域に広がった文化の特徴による時代区分 ②飛鳥〜江戸・・・日本という国家の…

リベラル・護憲・左派が抑えるべき歴史上の天王山

「保守・改憲・右派」vs「リベラル・護憲・左派」という単純化した図式で日本を捉えた場合、それぞれが持っている旗印が何なのか、ということを挙げると、 ・「保守・改憲・右派」は「愛国」「国益」「国防」 ・「リベラル・護憲・左派」は「平和」「立憲」…

戦後歴史教育の問題点 (2) 「天皇」を知らない生徒たち〜新たな天皇像の欠如〜

戦後歴史教育の弱点として、皇国史観の天皇像に代わる、新たな天皇像を打ち出せていないことが挙げられる。 戦後歴史教育を受けた生徒は、天皇が何者なのかがよくわかっていないのだ。「象徴らしいけど・・・?」「よくわからない偉い人」という印象が残るだ…

護憲派が勝つための戦略〜早期の国民投票を?〜

荒唐無稽なことを言うように思うかもしれないが、さっさと憲法改正のための国民投票をやってしまった方が、護憲派に勝算がある。 護憲派が今後も頑張って改憲を先延ばしにすることは、ある程度可能だろう。 しかし、どんなに先延ばしにしたって、改憲派はチ…

憲法改正の時期〜改憲派にとっての最悪のシナリオと理想のシナリオ〜

改憲を確実に射程に入れるために、来年7月はほんとうに衆参ダブル選になるかもしれない。そのときポイントになるのは橋下の出馬、「断腸の思いで消費増税を延期する」というパフォーマンス、それから来年春の賃上げと安倍の「最低賃金1000円」。意識して対抗…

改憲のための署名、という奇妙さ

kenpou1000.org この日本会議系の団体による署名が、500万近く集まっているらしい。 こんなツイートを見かけた。 日本会議は憲法改正の国民投票早期実現を呼びかけた署名活動に445万人の署名を集めた。さらに来夏の参院選を念頭に、47都道府県に「県民の会」…

山本みずき氏のSEALDs批判へのお礼

www.news-postseven.com (イヤミではなく)山本氏は良心的な保守論客であると思っている。叩くための批判などは決してしないだろう。建設的な議論のために批判をしているはずだ。 それを踏まえ、(山本みずき氏が私のような無名人の書くこんな弱小ブログを…

日本共産党の伸び・・・しかし・・・?

安保法制の議論が始まってからの志位氏の活躍は確かに目覚しいものがある。 今までの共産党と異なり、他党との共闘を含めた柔軟な路線変更まで視野に入れた言動が目立っている。 それが共産党にとってプラスに働くかマイナスに働くかはわからない。 ただ、 …

吉野作造「対外的良心の発揮」に学ぶ

「対外的良心の発揮」というのは、『中央公論』1919年4月号に吉野作造が載せた文章である。 三・一独立運動に対して日本国内の世論があまりに朝鮮人への「良心」に欠けたものである、自己の反省がない、ということを述べたものである。 この論については、吉…

「#拉致被害者全員奪還」のタグ

毎週日曜日20時から23時に、Twitter上で「#拉致被害者全員奪還」のタグをつけてツイートするデモが行われている。 北朝鮮による拉致は重大な犯罪であり、被害者の帰還というのは、日本国民どうのこうの以前に、人として願う気持ちのよくわかるものである。 …

「新9条論」は好手か悪手か〜妥協するなら「勝負手」を〜

www.tokyo-np.co.jp これに対して、改憲派、護憲派それぞれからすでに様々な意見が出て、活発な議論となっている。 反対意見として鋭いのが、以下のブログである。 ・澤藤統一郎の憲法日記 » 「新九条論」は連帯への配慮を欠いた提言として有害である ・「新…

戦後歴史教育の問題点 (1) 墨で塗られた皇国史観

戦前戦中の「皇国史観」に基づく歴史教育の弊害については改めて言うまでもないだろうが、戦後その「皇国史観」を克服できていない歴史教育が行われてきた、と私は思っている。 たしかに、教科書の内容はより科学的、自由主義的、民主主義的になった。しかし…

辺野古問題の闘い方について

headlines.yahoo.co.jp 実は、この夏、辺野古周辺を見学させていただいた。ゲート付近でのデモ行進の様子も近くで拝見した。その時には、デモ側も、基地側も、紳士的に振舞っており、のどかな時間が流れていた。 しかし、デモ側について気になったことがある…

靖国神社での爆発事件に思う

headlines.yahoo.co.jp まだ犯人も見つかっていない事件なので、何とも言えないのだが、もっとも気がかりなのは、この事件が特定の民族や、特定の思想に対する排斥に繋がる危険性だ。 案の定、と言うべきか、ネット上では、「どうせ隣国が」「どうせ左翼が」…

今、労働問題を争点にしなければならない理由〜「外交右派・経済左派」の脅威〜

前の記事で今度の選挙の争点を「労働基準法遵守」にすることを主張したが、そもそも労働問題が改善されない背景には、労働運動の低調がある。そして、労働運動の低調の背景のひとつには、労働運動をリードする立場の思想がある。 つまり、「護憲」「反安保法…

2016年参院選で与党を破る方法〜安保法制を争点にするな・労働問題で闘え〜

「1強多弱」の早期打開のために必要なことは何か、と考えると、まず来年の参院選で大勝し、ねじれに持ち込み、衆院選でも勝つ、ということになるだろう。 では、どうすれば勝てるのか。 大切なのは、「安保法制」が争点になったら、野党は勝てない、と認める…

「野党再編」の噂に接して〜「護憲派」の行く末〜

headlines.yahoo.co.jp 民主党は自民党にも増して思想の幅が広く、ひとつの政党として存在しているのが不思議になることがある。にしても、反自民の受け皿としての機能を少しは果たしていたという現実はある。 上のニュースの中で一部が主張しているように、…

「十七条憲法」を精読する・4〜「和」と「論」を結びつける第十条の重要性〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・3〜君主たる道、為政者たる道としての「和の精神」〜」の続き 最初も大切だが、最後も大切なのではないか、と思っている。 第一条は有名だが、第十七条はそれに比べて扱いが低いように思う。書き下しは次のような感じ…

「十七条憲法」を精読する・3〜君主たる道、為政者たる道としての「和の精神」〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・2〜第十五条から読み解く「和の精神」〜」からの続き 「十七条憲法」は、教科書的な説明では、仏教を守ることの大切さや、臣下としての道を説いたものである。 しかし、前の記事でも書いたように、実は、君主たる道を…

「十七条憲法」を精読する・2〜第十五条から読み解く「和の精神」〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・1〜「和の精神」とは何か〜」の続き 「和」とは何か、と考えながら「十七条憲法」を読み進めていくと、第十五条についての考察抜きには語れない、ということに気づく。 こんなことが書かれている。 「十五に曰く、私を…

「十七条憲法」を精読する・1〜「和の精神」とは何か〜

「聖徳太子」こと厩戸王により書かれたされる「十七条憲法」あるいは「憲法十七条」を振り返ってみたい(旧漢字は現在用いられている漢字に改めた)。 「一に曰く、和を以て貴しとし、忤ふること無きを宗とせよ」 この一文はあまりにも有名で、たとえば自由…

安保反対派・護憲派への冷ややかな視線

デモに参加したり集会に参加したり、というのは結構なことだが、その雰囲気の中で忘れがちなのが、自分たちへの冷ややかな視線だ。 デモでも集会でも、周りにいるのは大勢の同志。反対派なのが当然であり、正常であり、普通であるかのような雰囲気が生じてし…

2016年の参院選までに敗者がすべきこと

私たち安保法制反対派は、敗れた今、何をするべきだろうか。 私自身は、反対の最大の理由が、憲法違反という点であった。 だから、憲法違反でない改正案あるいは追加法を考えるとか、安保法制があっても平和的に運用できるような憲法修正(平和主義の理念を失…

安保法案可決後の日本

デモに意味は無かったのか? 否。 法案がすんなり通るのと、激しい反発のもとで通るのでは、その後の動きがいくらか違ってくるだろう。 すんなり通っていたのなら、さあ次は早速改憲だ、というシナリオもあったかもしれない。 激しい反発があったからこそ、…

山本みずき氏の提起へのひとつの回答〜「自ら戦争する」と「自衛する」〜

前の記事で言及した山本みずき氏からSEALDsへの疑問について、前の記事ではSEALDsと立場を異にする私にはSEALDsの代弁ができない、と述べたが、一部分について、おそらくSEALDsと似たような立場から指摘できる部分があるのではないかと思ったので、記してお…

山本みずき氏とSEALDsの「幻の対談」に思う

あの"18歳の宣戦布告"で有名になった山本みずき氏が、SEALDsとの対談を申し込んで断られ、「SEALDsに聞きたい「国民の命を守るためには何が必要か」」という文章を書いていた(以下、上記のサイトの2015年8月22日現在の文章から「」付きで引用を行う)…

「護憲派」から「改憲派」へのアドバイス

「護憲派」はこのままでは、改憲の議論の際にも「戦争になる!」「徴兵制になる!」と危機を煽って国民感情に訴える戦術を取るばかりであろう。 しかし、「改憲派」としては、それがあまりに煩く感じるだろう。中国がある程度大人しくしていると、「中国脅威…