改憲vs護憲を超えて

憲法改正の流れが現実的になった時に、建設的な議論ができますように

「野党再編」の噂に接して〜「護憲派」の行く末〜

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民主党自民党にも増して思想の幅が広く、ひとつの政党として存在しているのが不思議になることがある。にしても、反自民の受け皿としての機能を少しは果たしていたという現実はある。

上のニュースの中で一部が主張しているように、民主党が解党して、野党が再編したら、どうなるか。

 

たしかに、野党再編となって、「日本共産党」「比較的リベラル系の野党」「比較的保守系の野党」くらいに分かれるのであれば、思想的なまとまりは出来て、政党としてはまともになるのかもしれない。

しかし、次の選挙は勝てまい。野党競合、共倒れの続出で、与党圧勝である。与党の得票数が少なくても、その少ない得票数の与党に、どこも勝てないからである。

「比較的保守系の野党」が、たとえば「比較的リベラル系の自民党議員」をごっそり引き抜けるのであれば、保守二大政党という道は開けるだろうが、そのようなエネルギーはあるのだろうか。次の選挙で壊滅してしまえば、そのような勢いは得られないのではないだろうか。

「比較的リベラル系の野党」は、共産党との共闘などでいくらかの議席を取れる可能性があるが、それにしても今の護憲・リベラルはあまり強くない。社民・生活も巻き込んで、山本太郎を旗印に戦えば、いくらかの議席は期待できるかもしれないが、いくらかの議席、という程度ではないだろうか。それで終われば、保守系中心に世の中が回っていくのを、周りでわーわー騒ぐだけの存在になってしまうのではないだろうか。

 

ついでに言えば、「比較的リベラル系の野党」「比較的保守系の野党」が登場すれば、後者は改憲派であろう。「比較的リベラル系の野党」が出来れば、護憲派はよりまとまりがよくなるだろうが、より小勢力になる。

 

今の流れでは、「改憲」はそう遠くない。その時に、「護憲派」が蚊帳の外で憲法改正が進むので良いのか。

私は、「護憲派」の一人として、憲法改正にまず反対したいが、それでも改憲を国民が望むというのであれば、改憲を受け入れるしかない。その際に、「立憲主義」および日本国憲法の3つの基本理念を逸脱する改憲にならないように、しっかりと見張るのが「護憲派」の役割であろう。「護憲派」が自分たちの主張をより大きな声で叫ぶことに終始している限り、「すでに賛同している層」以外にはあまり広まらず、「護憲派でない人々」との溝が深まるばかりであろう。

 

いよいよ新憲法草案が俎上に上がった時に、その内容があまりに保守的で、それに対して「護憲派」が非難しても、「またあいつらが何か言ってるよw」でスルーされる日が来ても良いのか。

あるいは、いよいよ新憲法草案が俎上に上がった時に、その内容が意外にリベラルで、それに対して「日本会議」のメンバーが非難してきても、それが大勢に影響を与えない、という未来を選ぶのか。

後者のために必要なのは、何度も言うが、歩み寄りである。

「野党再編」で「比較的リベラル系の野党」ができるのであれば、「既に護憲」の人たちの結集を促すだけの存在ではなく、「悩んでいる層」さらには「どっちかというと改憲という層」に受け入れられるような「歩み寄り」の出来る政党でなければ、「サヨク」「反日」のレッテル貼りの犠牲になるだけだろう。