改憲vs護憲を超えて

憲法改正の流れが現実的になった時に、建設的な議論ができますように

靖国神社での爆発事件に思う

headlines.yahoo.co.jp まだ犯人も見つかっていない事件なので、何とも言えないのだが、もっとも気がかりなのは、この事件が特定の民族や、特定の思想に対する排斥に繋がる危険性だ。 案の定、と言うべきか、ネット上では、「どうせ隣国が」「どうせ左翼が」…

今、労働問題を争点にしなければならない理由〜「外交右派・経済左派」の脅威〜

前の記事で今度の選挙の争点を「労働基準法遵守」にすることを主張したが、そもそも労働問題が改善されない背景には、労働運動の低調がある。そして、労働運動の低調の背景のひとつには、労働運動をリードする立場の思想がある。 つまり、「護憲」「反安保法…

2016年参院選で与党を破る方法〜安保法制を争点にするな・労働問題で闘え〜

「1強多弱」の早期打開のために必要なことは何か、と考えると、まず来年の参院選で大勝し、ねじれに持ち込み、衆院選でも勝つ、ということになるだろう。 では、どうすれば勝てるのか。 大切なのは、「安保法制」が争点になったら、野党は勝てない、と認める…

「野党再編」の噂に接して〜「護憲派」の行く末〜

headlines.yahoo.co.jp 民主党は自民党にも増して思想の幅が広く、ひとつの政党として存在しているのが不思議になることがある。にしても、反自民の受け皿としての機能を少しは果たしていたという現実はある。 上のニュースの中で一部が主張しているように、…

「十七条憲法」を精読する・4〜「和」と「論」を結びつける第十条の重要性〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・3〜君主たる道、為政者たる道としての「和の精神」〜」の続き 最初も大切だが、最後も大切なのではないか、と思っている。 第一条は有名だが、第十七条はそれに比べて扱いが低いように思う。書き下しは次のような感じ…

「十七条憲法」を精読する・3〜君主たる道、為政者たる道としての「和の精神」〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・2〜第十五条から読み解く「和の精神」〜」からの続き 「十七条憲法」は、教科書的な説明では、仏教を守ることの大切さや、臣下としての道を説いたものである。 しかし、前の記事でも書いたように、実は、君主たる道を…

「十七条憲法」を精読する・2〜第十五条から読み解く「和の精神」〜

※前の記事「「十七条憲法」を精読する・1〜「和の精神」とは何か〜」の続き 「和」とは何か、と考えながら「十七条憲法」を読み進めていくと、第十五条についての考察抜きには語れない、ということに気づく。 こんなことが書かれている。 「十五に曰く、私を…

「十七条憲法」を精読する・1〜「和の精神」とは何か〜

「聖徳太子」こと厩戸王により書かれたされる「十七条憲法」あるいは「憲法十七条」を振り返ってみたい(旧漢字は現在用いられている漢字に改めた)。 「一に曰く、和を以て貴しとし、忤ふること無きを宗とせよ」 この一文はあまりにも有名で、たとえば自由…

安保反対派・護憲派への冷ややかな視線

デモに参加したり集会に参加したり、というのは結構なことだが、その雰囲気の中で忘れがちなのが、自分たちへの冷ややかな視線だ。 デモでも集会でも、周りにいるのは大勢の同志。反対派なのが当然であり、正常であり、普通であるかのような雰囲気が生じてし…

2016年の参院選までに敗者がすべきこと

私たち安保法制反対派は、敗れた今、何をするべきだろうか。 私自身は、反対の最大の理由が、憲法違反という点であった。 だから、憲法違反でない改正案あるいは追加法を考えるとか、安保法制があっても平和的に運用できるような憲法修正(平和主義の理念を失…

安保法案可決後の日本

デモに意味は無かったのか? 否。 法案がすんなり通るのと、激しい反発のもとで通るのでは、その後の動きがいくらか違ってくるだろう。 すんなり通っていたのなら、さあ次は早速改憲だ、というシナリオもあったかもしれない。 激しい反発があったからこそ、…

山本みずき氏の提起へのひとつの回答〜「自ら戦争する」と「自衛する」〜

前の記事で言及した山本みずき氏からSEALDsへの疑問について、前の記事ではSEALDsと立場を異にする私にはSEALDsの代弁ができない、と述べたが、一部分について、おそらくSEALDsと似たような立場から指摘できる部分があるのではないかと思ったので、記してお…

山本みずき氏とSEALDsの「幻の対談」に思う

あの"18歳の宣戦布告"で有名になった山本みずき氏が、SEALDsとの対談を申し込んで断られ、「SEALDsに聞きたい「国民の命を守るためには何が必要か」」という文章を書いていた(以下、上記のサイトの2015年8月22日現在の文章から「」付きで引用を行う)…

「護憲派」から「改憲派」へのアドバイス

「護憲派」はこのままでは、改憲の議論の際にも「戦争になる!」「徴兵制になる!」と危機を煽って国民感情に訴える戦術を取るばかりであろう。 しかし、「改憲派」としては、それがあまりに煩く感じるだろう。中国がある程度大人しくしていると、「中国脅威…

「護憲派」 🆚「改憲派」〜危機を煽るキャンペーンの競争は、中期的に見れば「護憲派」に不利に働く〜

「護憲派」は最近、「戦争法案」のキャンペーンのスマッシュヒットや、一部政治家の失言などに助けられ、一時的に安倍政権への支持率を下げることに成功した。 しかし、中期的に見れば状況は著しく不利であると思われる。勝てない戦いなのではないか、とすら…

「護憲派」は「憲法改正禁止」に拘るべきではない

自己紹介代わりに書くが、私は一応「護憲派」のつもりだ。 しかし、「日本国憲法」の一字一句を変えさせない、という意味の「護憲派」ではない。 大切なのはその一字一句ではなく、いわゆる「三大原則」を始めとする理念である。 そして、憲法が、国家権力を…

改憲をめぐる議論が不毛に終わる可能性について

安保法制をめぐる議論が噛み合ってない。 別に私は、中庸・中立を気取っているわけでもないし、左右に偏るのが悪いことだとも思っていない。 ただ、今回の議論は、あまりにかみ合っておらず、このままでは、実際に「改憲」が俎上に上がった時に、有意義な議…