改憲をめぐる議論が不毛に終わる可能性について
安保法制をめぐる議論が噛み合ってない。
別に私は、中庸・中立を気取っているわけでもないし、左右に偏るのが悪いことだとも思っていない。
ただ、今回の議論は、あまりにかみ合っておらず、このままでは、実際に「改憲」が俎上に上がった時に、有意義な議論を経ずして新憲法の制定、という事態に陥るのではないか、という危険性を感じる。
今回の安保法制をめぐる議論を、「改憲」をめぐる議論の「前哨戦」として捉えた場合、私は非常に強い危機感を抱く。
改憲派が護憲派を反日的・非現実的だと批難し、護憲派が改憲派を反動的・反平和主義的だと批難し、お互いの間での真剣な議論が少ない状況のままで、国家にとって大切な「改憲」という議論を俎上にあげてしまって良いのだろうか。
お互いにお互いを悪意的にしか解釈しないまま、無理解なまま、気持ちが分裂したままで、国家の枠組みが定まってしまって良いのだろうか。
実際に政権が本腰を入れて「改憲」を目指し始めた時に、今のようなかみ合わない議論を続けるのではなく、今のような不毛なレッテル貼りや、不毛な罵倒を繰り返すのではなく、建設的な議論を行うにはどうすれば良いのか。