改憲vs護憲を超えて

憲法改正の流れが現実的になった時に、建設的な議論ができますように

日教組などの組合に求めるもの〜部活動問題など、教職員の労働状況改善をメインに据えたPRを〜

部活問題 対策プロジェクト」についてはすでに大いに話題になっている。

たとえば、下記の記事。

bylines.news.yahoo.co.jp

「これまで教員の労働に関する部活問題については、教職員組合が音頭を取ってきた。だが、同プロジェクトは、既存の組織の枠組みを超えた、まったく新しいかたちでの連携であり、以下に示すその活動目標もきわめて斬新である。」

というのが象徴的である。「既存の組織」とは、日教組を初めとする教職員の組合のことだ。このプロジェクトは組合の運動ではない、という。

 

私自身、組合に入っている教員の知り合いは何人かおり、教職員の労働状況改善のために取り組んでいる彼らの行動はよく知っている。

しかし、「ブラック部活」の問題の根本的解決を目指す運動が、その組織外から出てきて、話題になっている、という状況はどうなのか。

組織外だからこそ動きやすい、ということはもちろんあるだろう。

いや、それではいけないのだ。

「教職員の組合の運動としてこそ、こういう問題に取り組みやすい」という組合に、なぜなっていないのか。

 

ためしに組合系のサイトをぐぐっていくつか見てみた。上の方に出てきた、

日教組:日本教職員組合【e-station】

全日本教職員組合

日本高等学校教職員組合

東京都教職員組合(都教組)

あたりをみても、管見の限り「部活動問題対策プロジェクト」に言及するものはない(あったら是非教えてほしい)。

 

組合、とは、労働者の権利を守ることこそが第一の団体であろう。

もちろん、「部活動問題対策プロジェクト」の掲げる内容については賛否あるかもしれない。

しかし、部活動労働が問題である、という点は疑いようのない事実であり、既存の組合も、(そもそも既存の組合が音頭をとるべきだったのだが、それができなかったのだから)支援するなり、運動のさらなる改善のための建設的な提言をするなり、そういうことがあっても良いのではないだろうか。

 

上記のサイトにはだいたい各団体の「取り組み」について書いてあるが、憲法を守ろう、と叫ぶ声明ばかりが目立つ。

もちろん、そういう声明が出ることは構わない。公務員として、憲法の擁護の義務があるのだから(日本国憲法第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。)、その義務を果そうというのは全く正当な行動だ。

しかし、それはそれとして、まずは教職員という労働者の人権を守ろう、という姿勢を、まずウェブサイトからでも示してほしい。

どんな取り組みをしているのかな、とクリックした時に、真っ先に、教職員の労働状況の改善のための取り組みが出てくるようにしてほしい。

サイトをよく見ればそういうコンテンツはあるのだから、そちらがメインの団体としてアピールしてほしい。

実際に、勤務形態についての交渉や、臨時的任用の教員の採用についての交渉を始め、いわゆる「組合」として機能している実態が、確かにあるのを知っている。それこそ、最もアピールするべきことではないのだろうか。