改憲vs護憲を超えて

憲法改正の流れが現実的になった時に、建設的な議論ができますように

憲法を守りたいなら「護憲」を捨てよう

今、日本の人々を最も苦しめているものは、労働問題・貧困である、と少なくとも私は考えている。 おそらくアメリカもそうだろう。 その結果がかつてのオバマであり、そのもっと顕著な結果がトランプ・サンダース現象である。 多くの人は変化を望んでいる。 …

トランプは悪で、サンダースは善?

アメリカ大統領の座をめぐる争いの中で、トランプとサンダースの躍進が大いに話題となっているが、いずれも、中下層階級の怒りを支持の基盤としていることは、すでに多くの論者が指摘していることである。 怒りを持つ中下層階級から支持されるトランプとサン…

「ネット右翼」と「プロ市民」

たとえば、こんな情報が出回っている。 matome.naver.jp こういう噂は今までも流れていた。 そうかもしれないし、そうでないかもしれない。 また、自民党に限らずどの党だろうが、このご時世、ネット上で自党のPRや、他党のネガキャンをするのは、不思議なこ…

慰安婦についての杉山外務審議官発言について

www.sankei.com さて、先の合意での約束は、「日本政府は、韓国政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える」「韓国政府は、今般日本政府が表明した措置が着実に実施されるとの前提で、日本政府と共に、今後…

部活問題への補足

先日、部活問題についての記事を2本書いた。 ・日教組などの組合に求めるもの〜部活動問題など、教職員の労働状況改善をメインに据えたPRを〜 ・部活動〜提言するなら「日曜日の教育活動厳禁」を〜 いくつかの反応があったが、Twitter上では、 知教労 (@chik…

部活動〜提言するなら「日曜日の教育活動厳禁」を〜

部活問題 対策プロジェクトについては前の記事でも少し言及したが、この問題についてもう少し掘り下げてみたい。 上記のサイトでは、部活動の負の側面について、教師の労働問題、生徒に対する教育のあり方としての問題、家庭・家族の問題などの側面から述べ…

日教組などの組合に求めるもの〜部活動問題など、教職員の労働状況改善をメインに据えたPRを〜

「部活問題 対策プロジェクト」についてはすでに大いに話題になっている。 たとえば、下記の記事。 bylines.news.yahoo.co.jp 「これまで教員の労働に関する部活問題については、教職員組合が音頭を取ってきた。だが、同プロジェクトは、既存の組織の枠組み…

「建国記念の日」についての雑感②反対集会・反対声明の作法について

前の記事で書いたように、 ・現行の「建国記念の日」が2月11日なのは、ひとつの歴史解釈に基づくものである ・他国の例を見る限り、「建国記念の日」を設定するのもしないのも選択肢として存在する ・他国の例を見る限り、設定するにしても、解釈次第で様々…

「建国記念の日」についての雑感①2月11日にしなければならない理由はあるか

「建国記念の日」のたびに、左右さまざまな意味合いを持つ人々が集会をしたり、声明を発表したりする。 私も、せっかくなので何か書いておきたい。 「建国記念の日」反対の動きに対しては、例えばこんな反論がある。 ironna.jp この論者は、「建国記念の日」…

「安倍談話」と「慰安婦合意」〜スローガンとしての「子や孫に謝罪させない」〜

2015年の歴史認識問題を象徴する、戦後70年の「安倍談話」と、年末の「慰安婦合意」とはひとつの思想で繋がっていた。それは、「子や孫に謝罪させない」というものだ。 本来、安倍首相の支持者たちの歴史認識から考えれば、「安倍談話」にしても「慰安婦合意…

「乗客に日本人はいませんでした」

THE YELLOW MONKEYの復活は年明け早々の明るいニュースだった。 新曲の発表もあり、本格的な活動も期待されるところである。 私が彼らに出会ったのは比較的遅く、名曲『JAM』からである。 この曲の歌詞には、有名な箇所がある。 「外国で飛行機が墜ちました …

「歯舞読めない」は揚げ足取りか

漢字の読み方についての報道として、 ①麻生首相(当時)が「未曾有」を「みぞうゆう」と読んだ ②宮沢経産相(当時)が「川内」を「せんだい」と読んだ ③島尻沖縄北方担当相が「歯舞」を「はぼ」までしか読めなかった などといったことが取りざたされてきた。…

「サヨクは金持ちの道楽」論について

私が以前書いた記事(今、労働問題を争点にしなければならない理由〜「外交右派・経済左派」の脅威〜 - 改憲vs護憲を超えて)が、Twitterで批判的に言及されており、アクセス数が増えていた。 批判的見解をなるべく探そうと試みた中で、とりあえず、最も手厳…

北朝鮮の「水爆」実験と護憲・反戦・リベラル派の今後

今回の北朝鮮の水爆実験成功が真実かどうかはまだわからない。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。しかし、そうでなかったとしても、いずれそうなるかもしれない。 北朝鮮が水爆を製造することができたら、「改憲」「自衛軍創設」そして「核武装」…

国粋主義のすすめ〜新元素に湧く「日本」へ〜

headlines.yahoo.co.jp 新元素発見のニュースに湧いている日本。 その命名が「ジャポニウム」となるのが濃厚、とはいかなることか。 私たちは「ジャパン」に住んでいるのか。 断じて否。 「ニッポニウム」「ニホニウム」ではダメなのか。 日本でオリンピック…

安全保障の展望〜「中国」というリスク〜

「自衛隊は災害救助隊に改組すべし - 読む・考える・書く」というブログ記事で「日本側からバカなことを仕掛けない限り中国が攻めてくることなどないし、万一バカなことをやらかして中国と全面戦争に突入したら自衛隊では対抗できず敗戦必至」ということが書…

「十七条憲法」の精神はその後どうなったのか?

※以前の記事「リベラル・護憲・左派が抑えるべき歴史上の天王山 - 改憲vs護憲を超えて」に関連して 「日本 和 精神」などのキーワードでGoogle検索すればわかるが、日本には古来からこの「和の精神」があって、それが素晴らしいとか、それがどうだとか、いろ…

戦後歴史教育の問題点 (3)時代区分のおかしさ・その1

「旧石器時代」「縄文時代」から始まる日本史の時代区分のおかしさについては、すでに多くの人が指摘しているところであろう。 ①旧石器・縄文・弥生・古墳・・・日本列島上の広い領域に広がった文化の特徴による時代区分 ②飛鳥〜江戸・・・日本という国家の…

リベラル・護憲・左派が抑えるべき歴史上の天王山

「保守・改憲・右派」vs「リベラル・護憲・左派」という単純化した図式で日本を捉えた場合、それぞれが持っている旗印が何なのか、ということを挙げると、 ・「保守・改憲・右派」は「愛国」「国益」「国防」 ・「リベラル・護憲・左派」は「平和」「立憲」…

戦後歴史教育の問題点 (2) 「天皇」を知らない生徒たち〜新たな天皇像の欠如〜

戦後歴史教育の弱点として、皇国史観の天皇像に代わる、新たな天皇像を打ち出せていないことが挙げられる。 戦後歴史教育を受けた生徒は、天皇が何者なのかがよくわかっていないのだ。「象徴らしいけど・・・?」「よくわからない偉い人」という印象が残るだ…

護憲派が勝つための戦略〜早期の国民投票を?〜

荒唐無稽なことを言うように思うかもしれないが、さっさと憲法改正のための国民投票をやってしまった方が、護憲派に勝算がある。 護憲派が今後も頑張って改憲を先延ばしにすることは、ある程度可能だろう。 しかし、どんなに先延ばしにしたって、改憲派はチ…

憲法改正の時期〜改憲派にとっての最悪のシナリオと理想のシナリオ〜

改憲を確実に射程に入れるために、来年7月はほんとうに衆参ダブル選になるかもしれない。そのときポイントになるのは橋下の出馬、「断腸の思いで消費増税を延期する」というパフォーマンス、それから来年春の賃上げと安倍の「最低賃金1000円」。意識して対抗…

改憲のための署名、という奇妙さ

kenpou1000.org この日本会議系の団体による署名が、500万近く集まっているらしい。 こんなツイートを見かけた。 日本会議は憲法改正の国民投票早期実現を呼びかけた署名活動に445万人の署名を集めた。さらに来夏の参院選を念頭に、47都道府県に「県民の会」…

山本みずき氏のSEALDs批判へのお礼

www.news-postseven.com (イヤミではなく)山本氏は良心的な保守論客であると思っている。叩くための批判などは決してしないだろう。建設的な議論のために批判をしているはずだ。 それを踏まえ、(山本みずき氏が私のような無名人の書くこんな弱小ブログを…

日本共産党の伸び・・・しかし・・・?

安保法制の議論が始まってからの志位氏の活躍は確かに目覚しいものがある。 今までの共産党と異なり、他党との共闘を含めた柔軟な路線変更まで視野に入れた言動が目立っている。 それが共産党にとってプラスに働くかマイナスに働くかはわからない。 ただ、 …

吉野作造「対外的良心の発揮」に学ぶ

「対外的良心の発揮」というのは、『中央公論』1919年4月号に吉野作造が載せた文章である。 三・一独立運動に対して日本国内の世論があまりに朝鮮人への「良心」に欠けたものである、自己の反省がない、ということを述べたものである。 この論については、吉…

「#拉致被害者全員奪還」のタグ

毎週日曜日20時から23時に、Twitter上で「#拉致被害者全員奪還」のタグをつけてツイートするデモが行われている。 北朝鮮による拉致は重大な犯罪であり、被害者の帰還というのは、日本国民どうのこうの以前に、人として願う気持ちのよくわかるものである。 …

「新9条論」は好手か悪手か〜妥協するなら「勝負手」を〜

www.tokyo-np.co.jp これに対して、改憲派、護憲派それぞれからすでに様々な意見が出て、活発な議論となっている。 反対意見として鋭いのが、以下のブログである。 ・澤藤統一郎の憲法日記 » 「新九条論」は連帯への配慮を欠いた提言として有害である ・「新…

戦後歴史教育の問題点 (1) 墨で塗られた皇国史観

戦前戦中の「皇国史観」に基づく歴史教育の弊害については改めて言うまでもないだろうが、戦後その「皇国史観」を克服できていない歴史教育が行われてきた、と私は思っている。 たしかに、教科書の内容はより科学的、自由主義的、民主主義的になった。しかし…

辺野古問題の闘い方について

headlines.yahoo.co.jp 実は、この夏、辺野古周辺を見学させていただいた。ゲート付近でのデモ行進の様子も近くで拝見した。その時には、デモ側も、基地側も、紳士的に振舞っており、のどかな時間が流れていた。 しかし、デモ側について気になったことがある…